北海道の厳しい冬を乗り切るためには?道産子がコツを紹介します

2021年3月にこのサイトを立ち上げ、北海道内外の人に向けて情報を発信してきた「CRAB HOUSE」ですが、思いのほか道外の方に見ていただけている記事があります。

それがこちら↓

北海道の移住先におすすめ!北海道民が選ぶ住みやすい街とは?

昔から移住先として人気のあった北海道ですが、世界的な新型コロナウィルスの流行の影響もあり、人口密度の低い北海道へ移住を検討している人は増えている印象です。

しかし北海道といえば、1年のうち半分は冬とも言われており、その寒さと雪が多く積もる中での生活は移住者にとって厳しいものとなるでしょう。

北海道の厳しい冬は知ってるけど、生活できるかな?

北海道の人はどうやって厳しい冬を乗り切っているの?

このような不安や疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、道産子歴30年以上で道内でも雪が多い地域に住んでいる筆者が、北海道の冬をどう乗り切っているのかコツを紹介していきます。

これから北海道に移住を考えている人や、道内で雪が多い地域に引っ越す予定がある人などは、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

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雪かきをできるだけ減らすには

北海道の冬の生活において、なにが1番大変かというとズバリ雪です。

北海道は冬の寒さよりも、雪かきや雪道の車の運転など、実は雪に関する苦労のほうが多いんです。

この雪問題をできるだけ解消できる方法を紹介していきます。

雪が少ない地域に住む

北海道では、雪が少ない地域に住むことによって雪かきの回数をかなり減らせる可能性があります。

移住先を決める際にまず検討してほしいのは、それぞれの地域の降雪量です。

北海道の冬はどこも雪景色というイメージがあると思いますが、雪の降る量はかなり地域差があるんです。

雪が多い地域は旭川や岩見沢などの日本海側の地域、雪が少ない地域は釧路や帯広などの大雪山系を挟んで東側の地域と、室蘭や苫小牧などの太平洋側です。

雪が多い地域では雪かきをほぼ毎日する必要がありますが、雪が少ない地域に住むことで雪かきの頻度を減らすことができるでしょう。

雪が少ない街は?

釧路市や根室市は北海道内でも雪が少ない代表的な街です。また、室蘭市や苫小牧市も比較的雪が少ない街ですが、全く降らないというわけではないのである程度の準備はしたほうがいいでしょう。

アパートやマンションに住む

北海道で1番雪かきをしなければいけない人は、雪が多い地域の戸建てに住んでいる人です。

しかし、雪が多い地域でもアパートやマンションに住めば、戸建てに比べて雪かきの頻度は少なくすむでしょう。

アパートやマンションなどの集合住宅では、駐車場や建物の入り口前などを管理人や大家さんが除雪をしてくれる場合が多く、住人は細かい箇所を除雪するぐらいで、雪かきの負担はかなり軽いです。

車の上に積もった雪は自分で除雪する必要がありますが、1階がガレージになっているアパートや屋内駐車場があるマンションなら車の除雪もしなくてすみます。

北海道で最も除雪をしないで済む方法は「ガレージ付きのアパート・マンションに住む」ことだと言えます

アパート・マンションの除雪費用

アパートやマンションでは降雪期に家賃とは別に除雪費用が必要な場合があります。駐車場代も別途必要な場合も多いので、冬は家賃に+1万円以上かかることもあります。

冬の装備を揃える

ご存じの通り北海道の冬はとても寒いです。

機能的なアウターや冬靴を身に着けることで、北海道の厳しい冬を乗り越えることができます。

冬の服装は厚着しすぎない

冬の北海道に旅行などで行った時に、こんなことを思ったことはありませんか?

北海道の人って冬なのに薄着なんだな

実は北海道に住んでいる人は、もっこもこのダウンジャケットの中にもっこもこのセーターを着るなど見るからに暖かそうな服装はあまりしません。

もちろんある程度の暖かさは必要ですが、動きやすさや軽さなどの機能面を重視して服装を選んだほうが北海道の冬の生活は快適になります。

その理由はいくつかありますが、これらのことが挙げられます。

北海道民が冬に薄着の理由

  • 車に乗る生活だと外に長時間いることがほぼ無いから(家や車内は暖房で暖かい)
  • 商業施設などの屋内は暖房が効いていて厚着だと暑いため
  • 雪かきをする時に厚着しすぎると汗をかくから

北海道は車社会です。

普段から通勤や買い物に車を使っている道民は多く、寒い冬に長時間外にいるということがあまりなく、厚着しすぎると運転もしずらいので、ある程度の薄着という人が多いです。

犬の散歩や子どもの雪遊びに付き合うなど、長時間外にいる必要がある人ももちろんいるので、そういう人たちはもちろん暖かい服装をしていますが、ずっと歩いたり体を動かすと意外と暑いので薄着という人もいます。

薄着と言ってももちろん半袖Tシャツなどではなく、男性なら厚手のトレーナーに冬用アウターという感じです。

そして、ショッピングモールなどの商業施設は暖房が効いているので、厚着をしていると暑くて汗をかくレベルです。

筆者は冬にショッピングモールに行く時はアウターの中は薄手のシャツなどを着ています。

施設内ではアウターを脱げばいいのですが、冬のアウターはかなりかさばるのでできれば脱ぎたくないんですよね(その辺の買い物にはアウターの中は部屋着で行くのが道民あるあるです)

また、雪かきの時は動きやすい服装がおすすめです。

雪かきをしているとすぐに暑くなるので、アウターの中は本当に半袖Tシャツでもいいかもしれません。

半袖Tシャツだけで雪かきをしている人もたまに見かけます。

暖かく滑りにくい冬靴を選ぶ

北海道の雪道はツルツルで滑りやすく、防滑ソール以外の靴で歩くのはかなり危険です。

特に車に乗らず雪道を歩くことが多い年配の方は注意が必要で、慎重に滑りにくい冬靴を選ぶことをおすすめします。

車移動がメインという人も車に乗るまでの道がツルツルという場合も多いので、道民のほとんどが防滑ソールの冬靴を履いています。

冬靴の種類は色々あるので、こちらの記事をぜひ参考にしてみてくださいね。

北海道の冬靴はどんな種類がある?北海道の靴屋店員が解説します

冬の生活を楽にする便利アイテムを使う

厳しい冬を乗り切るために北海道民はいろいろなアイテムを使いこなしています。

道民にとってはもはや常識すぎて便利アイテムという意識もない物もありますが、これらがあればきっと北海道の冬の生活の難易度は下がるでしょう。

エンジンスターター

北海道で車に乗る生活を予定している人には、ぜひエンジンスターターを使って快適な冬の生活を送ってほしいです。

特におすすめなのは、屋外駐車場で車に積もった雪を下す必要がある人です。

雪が積もった冷え込みが厳しい朝の屋外駐車場の車たちは、みんなこんもり雪が積もった状態です。

雪を下しても、雪の下になっていた車体はガチガチに凍っていることがよくあります。

フロントガラスが凍っていると何も見えないので、エンジンをかけて融けるのを待ったり氷を削ったりする必要があり、なかなか出発できません。

しかしエンジンスターターで前もってエンジンをかけておけば、雪も下ろしやすくなり同時にフロントガラスの凍結も融けるので、朝の時間がない時でもスムーズに出発することができます。

車のマフラーが雪に埋もれた状態でエンジンをかけると車内にガスが充満してしまう可能性があるので、駐車する時はマフラー部分を開けておく必要があります。

また、ガレージや屋内駐車場を使っている場合は、排気ガスがガレージ・屋内駐車場内に充満してしまう可能性があるので使用しないほうがいいでしょう。

小さな子どもがいる人にも

個人的に最もおすすめなのは、小さな子どもがいる家庭です。小さな子どもがいると、車のエンジンをかけに外に出るのは色々面倒ですよね。エンジンスターターを使えば家の中からエンジンをかけれますし、雪下ろし中にある程度温まった車内に子どもを待たせておくこともできますよ。

ママさんダンプ

「ママさんダンプ」または「スノーダンプ」とは、1度に大量の雪を運ぶことができ、そりの要領で雪の上を滑らせて使うため重い雪でも運ぶことができる大きめの除雪道具の事です。

北海道以外の雪が多い地域でも使われている通称「ママさんダンプ」は、降雪地域に住んでいなくてもご存じの人は多いかもしれません。

北海道で雪の多い地域に住む場合、特に戸建て住宅や除雪が必要な物件に住むなら、ママさんダンプがあれば除雪の負担を減らすことができるでしょう。

ママさんダンプの正式名称は?

「ママさんダンプ」は主にプラスチック製のものを指し、新潟県のニラサワ製販の登録商標になっています。名前の由来は、開発当時新潟県では冬季に男性は出稼ぎに行き、除雪は女性が担っていたため、「ママでもダンプカーのように雪を運べる」ような商品を開発した結果、「ママさんダンプ」という名前が付けられたそうです。

防寒長靴

防寒長靴とは、一般的な長靴とは違い、長靴の内側にウレタンやボアなどの防寒素材が貼られていたり防滑ソールになっている寒冷地仕様の長靴のことです。

北海道で冬の生活を送るうえで、「ママさんダンプ」は1家に1台所有が当然のように、防寒長靴も道民にとって欠かせないアイテムです。

雪が積もる前の積もったり融けたりを繰り返す初冬は、道路がビチャビチャで歩きにくく、靴がもれなく濡れてしまうので、完全防水でもある防寒長靴が重宝します。

そして冬本番の雪かきシーズンでは、丈の長い防寒長靴なら深く積もった雪の中をズボンを濡らさずに進むことができます。

もちろん冬の終わりから春先にかけての雪解けでビシャビシャな路面も、防寒長靴で乗り切れます。

このように、防寒長靴は冬の間ずっと履ける便利なアイテムです。

近年ではぱっと見では長靴に見えないようなオシャレな長靴もたくさんあるので、雪が積もる前に靴屋さんに行ってみてはいかがでしょうか。

購入は早めが吉

防寒長靴は初冬から履ける商品なので、靴屋の店頭に並ぶのも早く、売り切れるのも早いです。筆者の経験から言うとオシャレなデザインの物から無くなっていくので、今年防寒長靴を購入予定という人は早めに靴屋さんに行くことをおすすめします。

天気予報を見る

普段何気なく見ている天気予報ですが、冬の天気予報は道民にとって最も重要な情報と言えます

まず初冬は、車のタイヤを冬タイヤに交換するタイミングを計るために、いつ雪が積もるかをしっかり確認する必要があります。

雪が積もる時期は、翌日に除雪のために早く起きる必要はあるかを確認し、吹雪の予報であれば余裕を持って家を出る必要があるかなども考えなくてはなりません。

吹雪などで公共交通機関がストップする場合もあるので、車に乗らない人も冬の天気予報は必ずチェックしたほうがいいでしょう。

まとめ

冬の生活の負担を減らすには

  • 雪が少ない地域やアパート・マンションに住めば雪かきの頻度は少ない
  • 冬の装備を整える
  • 北海道の冬の生活に根ざしたアイテムで負担を減らす
  • 天気予報は欠かさずチェック

いかがだったでしょうか?

北海道の冬は長く厳しいですが、そんな環境の中でも北海道民はいろいろな工夫や道具を使って冬を乗り切っています。

筆者のような生粋の道産子は毎年北海道の冬を経験しているので、何とも思わないようなことでも、初めて北海道の冬の経験するという人にとっては想像以上に大変な生活が待っているかもかもしれません。

その大変さを軽減するするために、この記事が少しでも参考になれば幸いです。