
北海道の冬が寒い地域は?冬の気温と服装を詳しく紹介します
北海道の冬といえば、どんなことが思い浮かびますか?
北海道ってめちゃくちゃ寒いんでしょ?
でも家の中では半袖の服でアイスを食べてるんでしょ?
はい、だいたいその通りです!
みなさんご存じの通り、北海道は日本列島の最北に位置しているため冬はとても寒く、1年のうち約半年間は冬と言っても過言ではありません。
しかし北海道では地域によって冬の寒さに違いがあることをご存じでしょうか?
雪の降る量に地域差があるように、地形などの影響により寒さも地域差があるんです。
冬の北海道に行くならやっぱり寒さを体感したい!
冬の北海道はどんな服装をすればいいの?
そんな疑問や悩みがあるという人のために、この記事では、北海道の冬が寒い地域や北海道の冬の服装を道産子歴30年以上の筆者が分かりやすく紹介していきます。
冬の北海道に観光で訪れる予定があるという人や、移住を考えている人など、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
北海道の冬が寒い地域
広大な面積を誇る北海道は、その大きさゆえに地域によって気候がかなり違います。
例えば道南の函館と最北に位置する稚内とでは、まったく気候が違うんです。
北海道で冬が特に寒い地域は道北・十勝・オホーツク地方が中心になっています。
上川地方

北海道第2の都市・旭川市がある上川地方は、北海道でも特に冬の寒さが厳しい地域です。
上川地方は北海道内陸部である点と盆地という地形から、夏は気温が高くなり冬は冷え込みが厳しい気候になっています。
上川地方の中でも冬の寒さが特に厳しいことで有名な旭川市・江丹別(えたんべつ)では、2020年2月には最低気温-36.0℃を記録しています。
しかし江丹別は夏の暑さが厳しいことでも有名で、北海道で記録的な猛暑となった2021年7月31日には、38.4℃を観測しています。
このように、上川地方は1年を通して寒暖の差が大きいのも特徴です。
旭川市は日本の観測史上最低気温となる-41.0℃を1902年1月に観測していますが、1902年と言えば119年前の明治35年のことです。近年、旭川市などの都市部ではヒートアイランド現象の影響があるのか、厳冬期でも最低気温が-25℃を下回ることは数年に1度程度まで減っています。
上川地方の主な地域 | 1月の平均気温 | 1月の日最低気温 | 過去最低気温 |
---|---|---|---|
旭川市 | -7.0℃ | -11.7℃ | -41.0℃ (1902年1月) |
旭川市・江丹別 | -9.1℃ | -16.3℃ | -38.1℃ (1978年2月) |
和寒町 | -8.3℃ | -14.2℃ | -36.8℃ (1985年1月) |
富良野市 | -8.3℃ | -14.4℃ | -34.5℃ (1977年1月) |
幌加内町・朱鞠内 | -9.1℃ | -15.4℃ | -35.8℃ (1990年1月) |
占冠村 | -9.8℃ | -18.0℃ | -35.8℃ (2001年1月) |
十勝地方

帯広市を中心とした十勝地方も周りを山に囲まれた盆地であるため、冬は厳しい寒さで知られています。
中でも足寄郡に位置する陸別町は「日本一寒い町」として有名です。
エアコンなどの製品の寒冷地テストの場に選ばれることも多く、陸別しばれ技術開発研究所と北見工業大学が共同で町内約30地点の冬季の気温を測定し、陸別町の寒さを研究しています。
また、陸別町では厳冬期には稀にオーロラが観測されることもあり、冬はその寒さを体感しに観光客も多く訪れます。
旭川市同様、都市部である帯広市もヒートアイランド現象の影響を受けていると考えられており、2001年以降は冬季に-25℃を下回ったことはありません。
ちなみに、旭川市と帯広市で両市の観測史上最低気温を記録した1902年1月25・26日は、強力なシベリア寒気団が日本列島を覆っており、八甲田山雪中行軍遭難事件が起きたことでも知られています。
「しばれ」とは、北海道の方言で「すごく寒い」という意味で、厳しく冷え込んだ日の朝の挨拶は「しばれるね~」が北海道民の定番です。最近の若い人はあまり使いませんが、特に年配の道民はよく使う方言です。
十勝地方の主な地域 | 1月の平均気温 | 1月の日最低気温 | 過去最低気温 |
---|---|---|---|
帯広市 | -6.9℃ | -13.0℃ | -38.2℃ (1902年1月) |
陸別町 | -11.1℃ | -19.6℃ | -33.2℃ (2000年1月) |
鹿追町 | -6.7℃ | -11.9℃ | -26.3℃ (1985年1月) |
更別村 | -8.7℃ | -15.4℃ | -29.0℃ (1978年1月) |
広尾町 | -4.2℃ | -9.2℃ | -22.1℃ (1977年2月) |
オホーツク地方

北海道の東側・オホーツク海に面したオホーツク地方は、冬は厳しい寒さで知られる地域です。
オホーツク地方の寒さの秘密は、冬になると網走市や紋別市の海岸に押し寄せる流氷にあります。
オホーツク海が流氷に覆われることにより、大きな氷の陸地が出現します。
この氷の陸地が、海からのぼる水蒸気の量を減らすため雲の発生を減らし、その影響で晴れる日が多くなるため放射冷却現象が発生し、気温が下がりやすい傾向になります。
放射冷却現象とは、日中に太陽の光で上昇した地表面の温度が、夜間に宇宙空間に向けて放射され低下する現象の事です。しかし、上空に雲があると、放射が遮られて温度の低下は起こりにくくなります。特に冬の雲が少なくよく晴れた夜から朝にかけて放射冷却が起こりやすくなります。
オホーツク地方の主な地域 | 2月の平均気温 | 2月の日最低気温 | 過去最低気温 |
---|---|---|---|
北見市 | -7.4℃ | -14.0℃ | -30.9℃ (1978年2月) |
網走市 | -5.4℃ | -9.6℃ | -29.2℃ (1902年1月) |
紋別市 | -5.3℃ | -9.4℃ | -24.7℃ (1978年2月) |
斜里町 | -7.0℃ | -13.9℃ | -37.6℃ (1978年2月) |
雄武町 | -6.1℃ | -11.7℃ | -27.5℃ (1978年2月) |
北海道の冬の服装

冬の北海道に行く際に、まず悩むのは服装ではないでしょうか。
北海道の冬は寒いということは周知の事実ですが、その寒さに対応するにはどんな服装をすればいいのか?
冬の北海道のシーンに合った服装を道産子目線で紹介していきます。
長時間屋外にいる場合

北海道民よりも、観光などで道外から訪れた人の方が実は外にいる時間は長いんじゃないかと思うんですが、屋外に長時間いる場合は万全の防寒対策をおすすめします。
新型コロナウィルスの感染拡大を防止するため、コロナ禍の2021年現在は道内各地の雪まつりなど冬のイベントは中止になっている場合が多いですが、このような冬のイベントで長時間外にいる場合は道民でも完璧な冬装備で挑みます。
- 帽子(ニットキャップなど耳まで覆えるもの)
- イヤーマフ(帽子を被れない場合)
- ネックウォーマー
- 防寒ジャケット
- 手袋
- 防滑の冬靴
意外と無いと寒くて困るのが帽子です。
おすすめはニットでできた帽子で、耳まで覆えるものです。
耳まで覆えるという点はかなり重要で、冬に長時間外にいると耳がかなり冷えて痛くなるため、それを防ぐためにも帽子は耳を覆えるものを選びましょう。
しかし女性などは髪を結んでいて帽子を被れないという場合もありますよね。
そんな時はイヤーマフがおすすめです。
イヤーマフは髪型を崩さずにつけることができ、髪を結んでいる時や帽子がない時に重宝します。
耳を覆えない帽子にも合わせて使うことができるイヤーマフもあるので、コンパクトなものをひとつ持っておくと便利ですよ。
ネックウォーマーもあると暖かさに差が出ます。
防寒ジャケットにもよりますが、首元の隙間から冷気が入ってくるので、ネックウォーマーを着けることで冷気をシャットアウトすることができます。
ちなみにマフラーでも構いませんが、長いものやボリュームがあるものだとかさばって防寒ジャケットとの相性が良くないので、ジャケットの内側に着けられる短めのものやボリュームの無いものがおすすめです。
そして1番重要なのが防寒ジャケットです。
防寒ジャケットを選ぶ際にぜひ押さえてほしいポイントがこちらです。
- 撥水加工
- フード付き
- 丈は長め
近年の防寒ジャケットはだいたいダウンが入っているものになっているので、この点はあまり選択肢はないと思いますが、上記の3点のポイントを抑えておくと、より寒さを和らげることができます。
北海道の厳冬期や特に寒い地域に降る雪はサラサラしていて、ジャケットについても意外と濡れませんが、それでも撥水加工されたジャケットのほうが安心でしょう。
また、北海道民は雪が降っても傘はさしません。
この理由も雪がサラサラしているからというのももちろんありますが、フード付きのジャケットを着ていればフードで事足りるからです。
フードを被ると意外と暖かく防寒にもなるので、フード付きのジャケットはぜひおすすめしたいです。
丈も長めだと、冷たい外気に触れる部分が少なくなりより暖かいでしょう(できればお尻が隠れるくらいが好ましいです)
防滑仕様の冬靴も北海道の雪道を歩くうえでとても重要なアイテムです。
北海道の雪道は基本的にツルツルなので、冬靴以外の靴で歩くのはとても危険です。
北海道の靴屋さんで冬靴を選ぶか、滑り止めバンドを付けるようにしましょう。
コチラの記事で北海道の冬靴について詳しく解説しているので、こちらもあわせて読んでいただけると冬靴選びがはかどりますよ。
北海道の靴屋店員が教える冬靴の選び方 靴選びのポイントや試着方法を紹介
札幌周辺や屋内施設に長時間いる場合

札幌周辺でショッピングをしたり屋内施設に長時間いる場合や、JRや車、バスで長時間移動をするという人は、あまり厚着をしすぎないほうがいいでしょう。
北海道のショッピングモールや様々な屋内施設は暖房がかなり効いていて、帽子に手袋などなど完全装備をしてしまうととても暑いんです。
また、札幌中心部を観光するなら、地下歩行空間を歩いたり地下鉄を利用すると、冬の寒さや雪道を回避することができます。
これらの場合は、一般的な冬の服装に防寒ジャケットだけでも十分と言えます。
さらに体温調節ができるように、カーディガンなどで重ね着をしておくと安心かもしれません。
北海道民は寒い冬はどう過ごしている?
では、北海道民は寒い冬をどのように過ごしているのでしょうか?
実際の北海道民の冬の生活について簡単に紹介していきます。
北海道民は暖かい家で過ごすことが多い

北海道の家は、厳しい冬の寒さを暖かく過ごせるように暖房機器が必ず設置されています。
灯油ストーブやパネルヒーターを使用している家庭が多く、近年の性能が良い高気密・高断熱の住宅では寒冷地エアコンで夏はもちろん冬の暖房もまかなっている場合もあります。
外が寒いので、家の暖房はガンガンにつけている家庭が多く、北海道民は冬は暖かい家の中で過ごすことが多くなります。
家自体が暖かいので必要以上に厚着をすることもなく、極端な例ですが半袖シャツでアイスを食べるという人も普通にいます。
車の有無で寒さの感じ方が違う

北海道は車の所有率が高く、その理由のひとつに厳しい冬が挙げられます。
車の無い生活だと、家からバス停や駅、職場や学校まで歩かなければいけないので、冬は寒くてイヤだと感じることも多いでしょう。
しかし、車があると外にいる時間が少なくなるので、車に乗らない人ほど寒さを感じないと言えます。
実際に筆者は車を持つまではどこに行くにも徒歩でしたが、冬はやっぱり寒くて帽子に手袋マフラーと色々対策をする必要がありました。
しかし車に乗るようになってからは、長時間外にいることが無くなったので以前ほど寒さを感じなくなりました。
一見便利そうな車の生活ですが、車体購入やガソリン、車検など、徒歩に比べてかなり費用がかかります。冬は車の雪下ろしもあったりと大変な面もあるので、札幌周辺や街の中心部に住む場合は車が無いほうが生活しやすいかもしれません。
北海道の生活に車は必要?北海道で車が必要なワケと車を持たずに生活する方法を紹介
北海道民は潜在的に冬が好き?

冬の寒さや雪かきなど、北海道の冬は大変なことが多いですが、なんだかんだ言っても北海道民は冬の景色が好きな人が多いです。
生まれた時から冬の生活が身に染みていて、小さい時は道産子ならだれもが雪遊びをした思い出があるので、北海道の冬の大変さに愚痴を言いながらも嫌いになれないという感じかもしれません。
もちろんスキーやスノボなどのウィンタースポーツが好きな人にとって北海道の冬は最高でしょうし、筆者はウィンタースポーツは一切やりませんが、真っ白な雪と薄い青しかない冬の美しい景色は何十年見ていても飽きることがありません。
大気中の氷の粒が太陽の光で輝く「ダイヤモンドダスト」や、水蒸気が木々に付着して凍る「霧氷」など、北海道の冬に見れる幻想的な景色は観光客はもちろん道民をも魅了します。
まとめ
- 上川地方や十勝地方などの内陸部は特に寒い
- オホーツク地方も流氷の影響で冷え込むことが多い
- 観光の際はシーンに合わせた防寒対策がおすすめ
- 北海道民は家や車などで寒さを回避している
いかがだったでしょうか?
北海道の冬が寒い地域は、主に内陸部の盆地や流氷に覆われるオホーツク海側になります。
しかしそれらの地域には旭川市や、富良野市、帯広市、紋別市など、冬の観光地としても人気の都市があり、万全の防寒対策をして行けば、寒さにめげることなく楽しんで観光ができるはずです。
これから冬の北海道観光を予定しているという人は、ぜひこの記事を参考に準備をしてみてはいかがでしょうか?
※しっかり確認を!※
2021年9月現在、新型コロナウィルスの流行は収まりが見えません。
観光の際は、マスク・手指の消毒などの感染対策を徹底し、各自治体や観光施設の情報をよく確認しましょう。