北海道の家にはどんな特徴がある?暖かさの秘密を解説します
冬には厳しい寒さが訪れる北海道。
しかし家の中はとても暖かく半袖を着ているらしい・・・そんな話を聞いたことはありませんか?
これは暖房をガンガン使うからというのもありますが、そもそも家の造りが北海道仕様で、寒さに特化したものになっているからなんです。
北海道の家はどうしてそんなに暖かいの?
北海道で家を建てたいけどどんな仕様にすればいいの?
そんな疑問や悩みをお持ちの人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、実際に北海道で注文住宅を建てた筆者が、北海道の家の特徴や絶対に採用してほしい仕様などを紹介していきます。
移住で北海道に住む予定という人や、これから北海道で家を建てたいと思っている人の参考になる記事になっていますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
さらに、コチラの記事ではSNSなどでおすすめされている住宅設備・仕様の使い心地や感想を詳しく紹介していますので、併せて参考にしてみてくださいね。
北海道の家の特徴とは?
北海道の家は、本州の温暖な地域の家とは違う構造や仕様が多く見られます。
そのほとんどが北海道の厳しい冬に耐えられるように工夫されているのが特徴です。
基礎断熱
北海道では、「基礎断熱」という工法が多く施行されています。
「基礎断熱」とは、基礎の立ち上がり部分を断熱材で覆う工法で、基礎のコンクリート部分に外気温を伝わりにくくすることで床下空間が暖かくなるため、北海道や東北などの寒冷地で多く採用されている工法です。
「基礎断熱」は温暖な地域などで採用されることが多い「床断熱」よりも断熱性・気密性に優れているため、最近では北海道以外の地域でも採用されることが増えています。
さらに断熱材の張り方も2通りあり、基礎の立ち上がりの外側に張る「基礎外断熱」と、基礎の立ち上がりの内側に張る「基礎内断熱」があり、特に「基礎外断熱」は断熱効果が高く真冬でも水道凍結が起きにくい構造になっています。
基礎断熱は床断熱に比べてシロアリが侵入しやすいというデメリットがあります。しかし北海道ではシロアリが少ないため採用するハウスメーカーが多いですが、防蟻効果がある断熱材を使用しているか確認したほうがいいでしょう。
複層窓・樹脂サッシ
北海道では、二重窓と樹脂サッシが標準仕様になっていることが多いのも特徴です。
冬の北海道、特に内陸部では、朝方の気温が-20℃になることも珍しくないので、窓も断熱性の高いものが多く採用されています。
最近では、二重窓よりも三重窓(トリプルガラス)を標準にしているハウスメーカーが多く、さらに熱伝導率が低い樹脂スペーサーにすることで、結露を防ぎ、高い断熱性能を得ることができます。
断熱材の量が多い
北海道の家は、温暖な地域の家よりも断熱材の量が多く、断熱効果が高いものが採用されるのが一般的です。
注文住宅の場合、オプションで断熱材の量を多くしたり、断熱効果が高いものにすることができる場合が多いので、標準仕様の断熱材では物足りないという人は検討してみてはいかがでしょうか。
セントラルヒーティング
北海道の家にはさまざまな暖房設備があります。
温暖な地域でも利用されているエアコンや灯油ファンヒーターの他に、家全体を暖めるセントラルヒーティングという設備が採用されることが多いです。
セントラルヒーティングとは、1台のボイラーから各部屋のパネルヒーターに暖められた不凍液を巡らせるシステムです。
セントラルヒーティングは家全体を一定の温度に保つことができるので、部屋ごとの温度差がないためヒートショックを防ぐことができ、輻射熱でじんわり暖めるので乾燥しにくいのもメリットです。
最近では、床暖房や全館空調がメインの暖房設備というハウスメーカーが多く、高気密・高断熱であれば十分暖かいようです。
北海道では冬の暖房費がどうしても高くなってしまいますが、北海道の多くの企業は寒冷地手当や暖房手当というものを採用しています。これは文字通り冬に何かと出費が増える道民のために支給される手当で、これが無いと北海道の冬は乗り越えられないと言っても過言ではありません。
建物価格が割高
北海道で家を建てる場合、北海道以外の地域と比べて建物価格が割高になってしまいます。
その理由は、これまで紹介してきた仕様がいわゆる寒冷地仕様というもので、寒冷地以外でこの仕様にしようとすると追加料金がかかる設備・仕様だからです。
しかし、基礎断熱や複層ガラスなどは北海道の厳しい冬を乗り切るためには必要な仕様なので、多くのハウスメーカーで北海道の標準仕様になっています。
北海道では建物価格にコストがかかりますが、その分土地が安い場合が多いので、総費用としては意外とコストを抑えることができるかもしれません。 ただし、ここ数年は札幌とその近郊地域は土地の価格が上がっているようです。
北海道の土地探しのコツは?ハウスメーカーを先に決めて大きめの土地を探そう
絶対に採用してほしい家を暖かくする仕様
筆者の家は、道内でもまあまあ寒いほうの地域に数年前に建てた注文住宅です。
そこで実感した採用してよかった仕様と、費用面で採用しなかったけど採用していたらもっと暖かっただろうと思われる仕様を紹介していきます。
トリプルガラス・樹脂サッシ
トリプルガラス・樹脂サッシは今や北海道では標準仕様のハウスメーカーがほとんどだと思いますが、我が家が建てたハウスメーカーではペアガラスからオプションでトリプルガラスを選ぶことができました。
我が家は北海道でも寒いほうの地域だったのでトリプルガラスを採用しましたが、これが大正解でした。
以前住んでいたアパートの窓は、ペアガラスの(おそらく)アルミと樹脂の複合サッシで、冬に窓に近寄るとかなりの冷気を感じましたが、トリプルガラス・樹脂サッシはほぼ冷気を感じません。
窓の形の種類の中でも断熱効果が若干低いとされる引き違い窓では、さすがに厳冬期の一番冷え込む日は少し寒いかなと感じましたが、以前のアパートに比べるとやはり暖かく快適です。
そして、以前のアパートでは冬は毎日のように窓の結露に悩まされていましたが、新居のトリプルガラス・樹脂サッシは結露が発生しませんでした。
上の画像は約-20℃まで冷え込んだ朝に撮影したものですが、結露は一切発生していません。
外側の窓には氷の結晶ができるほど冷え込んだのに、結露ができないのはとても驚きました。
床暖房
我が家が採用した暖房設備はパネルヒーターですが、パネルヒーターは基本的に24時間運転させることで室内を一定の温度に保つので、設定温度を高くするととてつもない暖房費がかかるため寒くないギリギリのラインで温度を設定します。
我が家は11月から住み始めたため、1年目の冬は家全体が暖まりきらず、パネルヒーターが設置されていないファミリークローゼットなどは寒さを感じました。
2年目以降の冬は家全体がしっかり暖まり、暖房の設定を低くしても十分暖かく感じていますが、床の冷たさは解消されませんでした。
これが床暖房だったら、設定温度を低くしていたとしても足元が暖かいので、寒く感じないのかもしれない・・・と思うことがあります。
また、パネルヒーターを設置している壁には家具を置けないので、設計の段階で家具の配置を考えておく必要がありますが、床暖房では家具の置き場所に制約が無いのもメリットです。
第1種換気
家の換気システムは第1種換気と第3種換気のどちらかを採用することになるんですが、我が家が採用したのは第3種換気です。
第3種換気は、給気を自然に行い排気はファン(機械)によって行うシステムで、設置費用が第1種換気よりも安くメンテナンスが楽というメリットがあります。
しかし、第3種換気は外気温をそのまま取り込むため、冬は冷たい空気が給気口から入ってきてしまうんです。
我が家はコストとメンテナンス性重視で第3種換気を採用しましたが、冷え込んだ日に給気口の近くにいると冷気を感じることが結構ありました。
第1種換気は、給気と排気の両方をファン(機械)で行うシステムで、さらに熱交換型にすれば、外気を部屋の温度に近づけて取り入れることができます。
常に機械で換気を行っているため電気代がかかる点や設置費用が高いこと、ダクト式の場合はダクトの掃除ができない点と故障した時の修理が大変というデメリットはありますが、北海道では第1種換気にしたほうが冬は暖かいと思います。
北海道で暖かい家を建てる方法は?
ここまで紹介した通り、北海道で家を建てる場合、基本的に寒冷地仕様で暖かい家になります。
しかし、その分建築費用は他の地域より高くなりがちなので、家づくりは慎重に進める必要があります。
そこで、筆者が家づくりのために実際に利用したサービスなどを紹介していきます。
北海道は住宅展示場が少ない!
家を建てようと思い立ったら、まずは何をしますか?
実際にいろんな家を見学して、自分の家をイメージしたいですよね。
そこで、まずはいろいろなハウスメーカーの家を見学できる住宅展示場に足を運ぼうと考える人が多いのではないでしょうか。
しかしながら、広大な北海道の中で、大手ハウスメーカーが集まる大きな住宅展示場は札幌と旭川にしかないんです。
あなたが札幌と旭川近郊にお住まいならぜひ足を運んでいただきたいですが、そうではないなら無理して行くことはおすすめしません。
まずは、自分の理想の家づくりができそうなハウスメーカーを事前に調べるのがおすすめです。
自分に合ったハウスメーカーを見つける簡単な方法
筆者も住宅展示場が遠方でしたが、1度行ってみたものの、1件のハウスメーカーで1時間以上話をしたりして、遠方ということもありハウスメーカーを決めるのは時間がかかりそうだなと感じました。
そこで筆者はまずはネットでいろいろなハウスメーカーを調べてみました。
しかし、数ある大手ハウスメーカーから地元の工務店、その中から自分に合いそうなハウスメーカーを見つけ問い合わせるのは、時間的にも精神的にも大変なんです。
そこでおすすめしたいのが、資料の一括請求です。
資料の一括請求は、筆者が実際に利用したことがあるサービスです。
入力フォームで大まかな予算や希望する家の大きさなどを入力すると、その条件に合ったハウスメーカーの資料を一括請求できるので、筆者のように住宅展示場が遠いという人や、仕事などで忙しく調べる時間がないという人におすすめのサービスです。
実際に利用したところ、大手ハウスメーカーは資料を送るだけという場合が多く、間取りを作って見積もりを送ってくれる地元の工務店もありました。
資料などを見て、良さそうなハウスメーカーをある程度絞ってから、実際に住宅展示場や営業所に行くのが効率的です。
また、北海道には店舗がありませんが、北海道以外で家を建てたいという人には注文住宅の相談窓口がおすすめです。
家づくりはほとんどの人にとって一生に一度のことなので、プロに相談して勉強しながら後悔のないように家づくりを進めてほしいです。
筆者もかなり勉強したつもりで家づくりを進めていましたが、後悔している点やもっと勉強すればよかったと思う点があるので、このようなサービスを利用しておけばよかったと思っています。
まとめ
北海道の家は厳しい冬に耐えられるように寒冷地仕様になっているが、建築費用が他の地域よりも割高になる傾向がある。建築費用を抑えるには、資料の一括請求を利用して複数のハウスメーカーを比較して検討するのがおすすめ!
いかがだったでしょうか?
北海道の冬はとても寒いですが、さまざまな工夫によって家の中は暖かく過ごしやすくなっています。
冬の東京などの家よりも冬の北海道の家の中のほうが暖かいというのはあながち間違いではないかもしれません。
最近では北海道以外でも、性能に優れた北海道仕様の家を建てるという人も多いようです。
この記事が、北海道民はもちろん北海道以外で家を建てようと考えている人の参考になれば幸いです。